翻刻
【右丁上段】
○扇(あふぎ)はもろこし
にては舜(しゆん)と
いふみかどつくり
はじめ給ふ
日本(につほん)にては
神功皇后(しんごうくはうかう)の
とき蝙蝠(かふもり)の羽(はね)
を見てつくり
はじめしとなり
京(きやう)にてはみゑい
堂(どう)を賞(しやう)ず
○漆匠(しつしやう)はうるし
ざいくするもの
をいふ今は
塗師(ぬし)といふ
【左丁上段】
○侏儒(しゆじゆ)はかたち短(もじか)
き人をいふ今いふ
一寸(いつすん)ぼうしなり短(たん)
人(しん)ともいふ
○駝背(たはい)はせむし也
医書(いしよ)にては亀背(きはい)
といふ背(せ)の高(たか)き馬(むま)
を槖駝(たくた)といふ駝馬(だば)
に似(に)たるゆへせむしの
人を駝背(たはい)といふ也
○兎唇(としん)は缺唇(けつしん)とも
兎缺(とけつ)ともいふ兎缺(いぐち)
は赤子(あかご)のとき上手(じやうず)
の外科(げくわ)に切てぬ
はすれば成人(せいじん)して
みへぬものなり
【右丁下段挿絵】
扇工(せんこう)
《割書:あふ| ぎ| や》
漆(しつ)
匠(しやう)
《割書:ぬ| し》
【左丁下段挿絵】
駝背(だはい)
《割書:せむし》
侏儒(しゆじゆ)
《割書:一寸| ぼうし》
兎唇(としん)
《割書:いくち》