翻刻
【右丁上段】
○牧童(ぼくどう)は広野(くはうや)
にて牛馬(きうは)
に牧(まき)する
童(はらわ)【注】なり牧童(ほくとり)
遥(はるかに)指(さす)杏花(きやうくはの)
村(そん)と詩(し)に
も作(つく)れり牛飼(うしかひ)
はらわ【注】なり必(かならず)
笛(ふへ)を吹(ふく)
よつて牧笛(ぼくてき)と
いふ詩(し)に牧童(ぼくどう)寒(かん)
笛(てき)倚(よつて)牛(うしに)吹(ふく)と
いへるも太平(たいへい)
の姿(すかた)
なり
【左丁上段】
○鏡造(かゞみつくり)鏡(かゞみ)と
いふは神代(かみよ)に
天(あま)の糠戸(ぬかど)といふ
神(かみ)天照太神(てんしやうだいしん)
の御影(みかげ)を
うつして始(はしめ)て
つくり給ふと也
(補)鏡(かゞみ)は姿(すかたの)善悪(よしあし)
を見(み)るも心(こゝろ)の
曲直(きよくちよく)を
正(たゞ)し改(あらた)めんが為(ため)
なりとかや
神前(しんぜん)に鏡(かゞみ)を
掛(かく)るもこの
いわれなるべし
【右丁下段挿絵】
牧童(ぼくどう)
《割書:うし| かいはら| わ》【注】
【左丁下段挿絵】
鏡造(かゞみつくり)
【注「童」は「わらは」であるはずだが「はらわ」となっている。「は」は者と八より。「わ」は王より】