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国字断毒論 1巻附1巻 - 翻刻

国字断毒論 1巻附1巻 - ページ 8

ページ: 8

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【右頁】 学(ヽ)時既知善也非常/人(ヽ)且所以避 痘麻水痘/事(ヽ)繋於 朝議則非善也之私言/也(ヽ)因不拒 其/請(ヽ)贅数言於篇/端(ヽ) 文化戊寅夏四月望 侍医法眼石坂宗哲撰 【添字「ヽ」は句読点ヵ】 【左頁】 国字断毒論凡例(こくじだんどくろんはんれい)  一/先(さき)に断毒論(だんとくろん)を著(あらは)し痘瘡(とうさう|はうさう)痲疹(ましん|はしか )#1をやまざる為方(しかた)をくはしく   説明(ときあかす)といへども漢文(かんぶん)なれば人(ひと)ごとには読(よみ)やすからず痘瘡(とうさう)痲疹(ましん)は   人間(にんげん)生界(しやうがい)の大厄(たいやく)なればおしなべて人(ひと)の知(しり)給はんがために国字(かな)   にて本書(ほんしよ)漢文(かんぶん)のあらましをしるし世(よ)に公(おほやけ)にせん事(こと)を欲(ほつ)す  一/此書(このしよ)に説(とく)如(ごと)く痘瘡(とうさう)痲疹(ましん)は時候(じこう)の流行病(りうかうびやう)にあらず黴瘡(かさ)#2疥瘡(ひぜん)   に等(ひとし)き伝染病(でんせんびやう)なる理(り)を世(せ)上/一統(いつとう)に弁(わきまへ)知(しり)て忌嫌(いみきらふ)ときは忽(たちまち)毒気(どくき)   伝染(でんせん)の根(ね)を断(たつ)て世(せ)上に痘瘡(とうさう)痲疹(ましん)の大厄(たいやく)はあるべからず是(これ)《割書:予(よ)》   が此書(このしよ)を断毒論(だんどくろん)と号(なつけ)し本意(ほんい)なり元来(くはんらい)此(この)悪毒(あくどく)の為(ため)に古今(ここん)   後來(こうらい)無量(むりやう)の人(ひと)の非命(ひめい)に死(し)するを歎(なげく)より憤発(ふんはつ)して筆(ふで)を下(くだ)せば

現代語訳

【右頁】 学に居住していた時、既に善也が非凡な人物であることを知っていた。しかも痘瘡・麻疹・水痘を避ける事柄は、朝廷の議論に関わることであって、善也の私的な意見ではない。そのため、その依頼を拒まず、篇の冒頭に数言を付け加える。 文化戊寅夏四月望日 侍医法眼石坂宗哲撰 【左頁】 『国字断毒論』凡例 一、先に『断毒論』を著し、痘瘡・麻疹を患わないための方法を詳しく説明したけれども、漢文であるため誰もが読みやすいというわけではない。痘瘡・麻疹は人間の生涯における大きな災難であるから、広く人々に知ってもらうために、ひらがなで本書の漢文の概要を記し、世に公表したいと思う。 一、この書に説くように、痘瘡・麻疹は季節の流行病ではなく、梅毒・疥癬と同じような伝染病であるという理論を、世上一般に理解し知って忌み嫌うならば、たちまち毒気伝染の根源を断って、世上に痘瘡・麻疹の大災難はなくなるはずである。これが私がこの書を『断毒論』と名付けた本意である。もともとこの悪毒のために古今東西無数の人が天寿を全うできずに死ぬことを嘆くところから憤発して筆を執ったのであるから