翻刻
用る時はあくを洗ひおとし小刀にてけ
つり用るに鰹節(かつほふし)におとらすといふ但
能々むして脂(あふら)を去らされば虫ばみて
永く囲ひかたしよく〳〵むすへし
然らは野猪ばかりにも限へからす何
毛ものゝ肉も同しなるへけれは是等の
心かけも亦其心懸の一なるへし又/田螺(たにし)【左ルビ「つぶ」】も
からを去ゆてゝほし囲へは幾年を
経てもむしばますと云魚鳥毛ものゝ
あふら尤以衰たる腹を養ふへし是も亦
心得の一なるへし
右は今の豊なる日に能々心得させよとの
御事に候条油断すへからさるもの也
中條
享和二年三月
莅戸