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恥(はじ)なりと思ひしものなれども今ハ貸方(かしかた)より借方(かりかた)若機(もしき)
嫌(げん)が損(そん)しハせぬかとこは〳〵すに私方(わかくしかた)も此節(このせつ)ハ不時(ふじ)の物(もの)
入(いり)が続(つゝ)きまして大きに差支(さしつかへ)すして難義(なんき)いたし居(ゐ)ますゆへ
いふづゝなりませふなら何卒(なにとぞ)御憐愍(ごれんみん)御/慈悲(じひ)を以(もつ)て此(この)
節(せつ)御/返(かへ)し下されましたら御/恩(をん)の程(ほど)は忘(わす)れおきませぬ
何程か有難(ありがた)に存舛(ぞんじます)と畳(たゝみ)に天意(あたま)をすり付なみだを流(なが)
して頼(たの)みけれはかつた方ハ大きな場(ば)て夫(それ)ハ気(き)の毒(どく)なもの
なれども。前(まへ)の方(かた)にふ時(じ)の物入(ものいり)があつたとてこつちの知(し)つた
ことじやない。世間一統(せけんいつとう)しれたことじやソリヤどつこでも有(ある)ことじやそれ
じやまつて常(つね)に何角随分(なにかずいぶん)気をつけて倹約(けんやく)をして置(おか)
ねばならぬ勝(かつ)手づゝなことばかり云人(いふひと)ひや。こつちじやといふて
方々/口数借(くちかすかり)の多(おゝ)いことなれバ。世間体(せけんてい)も有(ある)ものて御/前(まへ)の
所ばつかりゑこひいきハならぬ。何分損(なになにふんそん)ハかけぬ来月晦日(らいげつつこもり)
時分(じぶん)にハ工面(くめん)てもよけれバ少々成(せう〱なり)とも遣(つかは)しませに。夫(それ)も聢(しか)と
ハしれぬられも其時(そのとき)のあんばい次第(しだい)ジヤとねつからとんと
如才(ぢよさい)のない気(き)シヤテイとつかまへ所(ところ)のなひやうに云(いひ)廻(まは)せハ
如才(ぢよさい)のない気(き)シヤテイとつかまへ所(ところ)のなひやうに云廻(いひまは)せハ?(うかた)夫(それ)