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やうにこさりま舛などゝ女(おんな)によつてハよふ喋(しやべ)るものなれバ
ついうか〳〵といわして置(おい)て。とくと容体(ようす)を聞置(きゝおく)べし
○又/手代(てだい)など下袴(しもばかま)をつけ来(きた)らバ。茶(ちや)たはこ盆(ぼん)を出(いだ)し。
少(すこ)し間(ひま)を入出向(いれいてむか)ひ。少(すこ)し笑顔(ゑがほ)して。至極(しごく)ていねいにあし
らい。御病人(ごびやうにん)ハどなたで御/座(ざ)り舛シテ何(なに)となされました
と云そろ〳〵問(とい)かけ容体(ようだい)をいふ度毎(たびごと)に微(すこ)しツゝ顔(かほ)を
嚬(しかめ)て夫(それ)ハ御/気(き)の毒(どく)といふ為旨(しうち)をなし。此程(このほど)ハ病家(びやうか)
多(おほ)くて廻(まわ)り繁(しげ)けれども外(ほか)ならぬことゆへ操合(くりあはせ)随分(ずいぶん)
早々御/見舞(みまひ)申べしなど云(いふ)べし
○/夫(それ)から廻(まわ)りの一/段(だん)先(まづ)乗物(のりもの)よりの出端(では)は岡島(おかじま)
屋(や)のごとくに心得(こゝろへ)。容体(ようす)気取(きどり)は芝翫(しくはん)を写(うつ)すべし
しかし取違(とりちがひ)て。芝居(しばゐ)てするやうなあほらしい医者(いしや)の
風(ふう)ハすべからず。兎角(とかく)しかつめらしく。見識(けんしき)ハ高(たか)けれども。
ひしめにして居(ゐ)るといふやうな様子(やうす)に▢てなし面(おもて)柔和(にうわ)
にして至極(しごく)深切(しんせつ)なる体(てい)にて仕打(しうち)をすべし。大病(たいびやう)なり
とも少(すこ)しもおとろかず。薬(くすり)はきかずともくるしからず不調法(ぶちようはふ)