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ぬやうもしれませぬ。必々(かならす〲)御/忘(わす)れなく拙者(せつしや)が差図(さしづ)と申
て呼(よび)に御やりなされませ何時(なんどき)なりとも立会(たちあい)まして評義(へうぎ)
に及(およ)んであげませふと深切(しんせつ)らしくいふて。跡(あと)をとる工面(くめん)
か第(だい)一なり。扨(さて)勇摺(ゆすり)弁口(へんこう)見舞(みまひ)の節(せつ)気転(きてん)頓作(とんさく)の
薬を見て。扨も〳〵頓作(とんさく)の配剤(はいさい)何(なに)も角(か)も能(よく)行届(ゆきとゞ)
ひたる尤(もつとも)至極(しこく)の療治(りやうぢ)なりと誉(ほむる)も。兼(かね)て云合(いひあわせ)ある仲(なか)
間(ま)なり。同類(どうるい)なれバ相互(あいたかひ)に医者(いしや)の楽屋(がくや)ハ人の知(し)ら
ぬか秘事(ひじ)なりと知るべし
○/娘(むすめ)の子(こ)の病人(びやうにん)なれバ。微笑(にこ)〳〵と笑顔(ゑかほ)して容体(ようだい)を
聞(きゝ)脉体(みやくてい)を見(み)て。扨(さて)もいじの悪(わる)ひもので御生質(おうまれつき)の
よひうつくしい御/子(こ)ハ。兎角(とかく)およハふて。なりませぬなどゝ
みす〳〵しれたあぶらてもまんざら腹(はら)の立やうにしなけ
れハ娘(むすめ)の子も母親(はゝおや)もアリマアおつしやることハひなア此方(このはう)
の娘(むすめ)はよつほどふきりやうなくせによわふござりまし
てこまつて居(ゐ)ますと云(いふ)て。やつはり娘も母親も心の
裡(うち)でハうれしい気味(きみ)なり。そこで御/気(き)つかひなされ