翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

当世医者風流解 3巻 - 翻刻

当世医者風流解 3巻 - ページ 92

ページ: 92

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からハ参りしにくふこさり舛(ます)ゆへ。只今(たゞいま)の内(うち)がよひと存(そんし) まして御隣(おとなり)の長右衛門さんが慥(たしか)な御/方(かた)でござり舛ゆへ 御/頼(たのみ)申てつれて参(まい)つて貰(もら)ひました。サアなんでも石部(いしべ) か草津(くさつ)あたりからの病気(びやうき)のそもとゝ見へ舛。ヘイその 石部(いしべ)か草津(くさつ)からとハ何(なん)のことで御さり舛。ハテサテ御合(ごが) 点(てん)のわるひアノ長右衛門/殿(どの)ハ。あかいとやらくらいとやら とかく娘(むすめ)の子(こ)を病人(びやうにん)にするくせが有(ある)といふ評判(ひやうばん)を せんとうの風呂(ふろ)やて聞(きゝ)ましたが御/隣(となり)でも御/存(そんし)御ざり                          ▢ △ いたせしこともあり誠(まこと)やいにしへ聖人(せいじん)の掟(おきて)も色(いろ)と酒とハ 敵(かたき)と知(し)るへしと宣(のたま)ひし又ならぬ堪忍(かんにん)するかかんにん ともいふ手島(てしま)の教(をしへ)もありと心(こゝろ)に心(こゝろ)を静(しづ)むれども いよ〳〵震(ふる)ひ止(やま)さりけれバ実誠(げにまこと)秩父(ちゝぶ)の重忠(しげたゞ)も 景清(かけきよ)程(ほど)の勇士(ゆうし)なれとも色(いろ)は思案(しあん)の外(ほか)なりと 了簡(りやうけん)つけられしこともあり又(また)吉田兼好(よしだけんかう)法師(はふし)も 色好(いろこのま)ざる男(おとこ)は玉(たま)の盃(さかつき)底(そこ)のなきがごとしと古人(こじん) の詞(ことは)何(なに)か苦(くる)しかるべきこと思(おも)ひ切(きつ)たる形勢(ありさま)にむすめ