翻刻
【右丁】
食(しい)をあたゆるにくらはず終(つい)に狎(なる)べからずと
して本の海に放(はな)つ盻顧(へいこ)して人を
視(み)て掌(たなこゝろ)をうち大笑(たいせう)して没(ぼつ)し去て
復(また)見へず是一 種(しゆ)なり又海人あり
総身(さうみ)に肉の皮(かわ)有て下にたれては
かまを着たるがごとく身体(しんたい)について生じ
【左丁】
たるものにて離(はな)るゝ事なし其余は皆 人(じん)
体(たい)なり陸地(くがぢ)に登りて数日にても死(し)な
ずといふ已上二 種(しゆ)共に海中(かいちう)にありと
いへ共常に何れの所にありといふ事を
しらず又女人もありといふ最(もつとも)人に似(に)て
人にあらす海獣(かいじう)の類(たぐひ)なる者か