翻刻
【右丁】
又一 魚(ぎよ)あり其大さ数十丈力甚だつよし
船にあふ時は首尾(しゆび)をもつて船の両頭
をいだく是をうたんとして船中 動(どう)ずる
ときは舟 即(すなわち)くつかへる是等の事あるを
もつて洋沖(ようちう)にては時々 大鳥銃(いしびや)【「石火矢」のこと】を
放(はなつ)て海魚(かいぎよ)を驚(おどろ)かすときは船を避(さく)とぞ
【左丁】
又海中に人あり是を海人と号(ごう)す
是に二 種(しゆ)あり其一ツは全体(ぜんたい)皆人にし
て頭髪(づはつ)鬚眉(しゆび)こと〴〵くそなはれりたゞ
手足の指(ゆび)水鳥の如く相連なつて水
かきあり何れの国にてか是を捕(とり)て国
王に献(けん)ず是にものいへ共 応(をう)ぜず飲(いん)