翻刻
大和本草ニ曰
野胡蘿蔔(やぶにんしん)
東武の俗馬胡蘿と云本草凡物の大者以馬名つくと云乗
日本にては物の賤しき者を大と云う大和本草に馬蓼を載せ馬の字
大と訓す當草は則馬にんしんなるべし
救荒本草曰
燕子不來香
《割書:のにんしん|》
なるへき欤是は燕來る時は氣臭
不堪ゆへに名つけし由よく合へり
甲申年四月中有二日
後園真寫
甲申年五月二日
折枝真寫
新六
切り倒す田植山のかしの木は
宇治の川瀬に流し来にけり 衣笠内大臣
六状
武士のやそ乙女らがふみとよむ
てら井ノ上のかと櫧の花
和名類聚抄ニ云
橿(かし) 唐韻に曰橿は 音薑 和名加之
萬年木也
爾雅集注に曰
一名杻 一名檍 杻音紐今案又
楲の之杻見たり刑罰具に
大和本草曰
櫧(かし) かしのき
又かたぎと云う
和漢三才圖會山果類ニ曰
櫧木《割書:かたき|》 苦櫧子 加之乃美
《割書:唐音|ちゆいもっ|》 橿 音江和名抄訓加之と
唐韻此れを名萬集と
字彙云鋤の柄也
俗云 樫木
其木堅い剛なる故今俗多
用樫の字を
大和本草條に曰
其の木紅白二種あり材として屋を作り
鎗眉尖刀の柄又鍬犂なとの柄に作る
舟の櫓に作る《割書:予曰|》白樫は出る於肥州天草より者
最も隹し赤樫は以爲櫓梶車軸及び鋤柄等
三才圖會
〇或は以櫧の子を訓する團栗と者甚誤也團栗の
檞の子也又以て檞を訓す加之波と倍々誤也
園曰
〇櫧に有八種白橿赤かし落葉かし〇白橿は葉細なり赤かしは葉大なり折れ安く裂(さけ)
安し然共舟の櫓は必ず赤かしを用ゆ白かしは性つよく子ばし故に槍にの柄に用ゆ