翻刻!草双紙の世界

コレクション: @chinjuさんと読む草双紙

武家物奇談 : 3巻 - 翻刻

武家物奇談 : 3巻 - ページ 18

ページ: 18

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【右丁】   化鵺(ばけぬへ)の怪 みかどのちよくをかふむり へうごのかみ【兵庫頭】よりまさ【頼政】 ろうどう【郎等】ゐのはやた【注】を めしつれていじやう【庭上】に ゆふ〳〵とざ【座】し いまやおそしと まちゐける はやうし みつのころ おいより くうちう すみ を なかせしごとく いなつま 大ちを かすり くろ くも やね に さ が る 【注:猪早太・井隼太・猪野隼太等を当てる】 【左丁】 と見へ しが なにともしれぬ なきごへのきこへけれ ばすはやけものと ゆみやををつてひき しぼりてうとはな せばてこたへありて そらはれわたり 大ぢ【大地】へおつるあやしき おとにゐのはやた とつてあしにふ まへ九寸五ぶ【注】を とうさんとせし かばこはいかに かたちは ねこにに てかほは おゝかめも のゝことし【狼者の如し】 しりほ【尻穂=しっぽ】をよ くかくしつめ ながくさうみ【総身】のけ【毛】はかは【皮】は をりのごとくつらのかはあつしといへどもたび〳〵むかれてしやう たいわからずなくこへそらなき【空泣き】かおほしまたぢうし【島田十四?】よく□かへをする ゆへさだかならずいかやうのゆうしまたとくじつのうまれな人にても このけてう【化鳥】にみこまれてはおしき【惜しき】いのちにかへ大せつのふぼをすてさするおそろしき ばけものなりかならずしもこのやう開(かい)にみこまれ給ふなばかさん給ふなおそるべしとふさくべし 【注:九寸五分=長さが九寸五分の短刀。】 【48行目、狼者は外面は優しい善人面で内面は邪悪ということ。】 【53行目、島田は若い女の髪形。十四はそのくらいの年齢という意味か。鵺は猿の顔で描かれるが、この挿し絵は若い女の顔になっている】 【下部】 〽もし ゐのさんつむり のものはみな さんだんでおす【さんざん?】 からそつとのつ ておくんなんし なんぼぬしが九寸五ぶ をときすまし      なん    しても わたしがせうち【承知】しねへ じやあとふりんすめへと【通りはしないと】       中(ちう)のじを            きめる