翻刻
【右丁】
越中(ゑつちう)黒丸(くろまる)の怪
えつちうのくにくろまるこほり
につたむらによしださだゑもんと
いへる人むらぢうのきせんに
とうとまれなをよしさだと
よばれぬこのよしさだ
すこしのこうろんつのりて
人をあやめぬそのとがに
よつてごくもんにかゝりし
となん
〽あるよかしらの
なき人き
たりなま
くびをぬすみ
とりかたはらの
どちうを
ほり
うづめたるを
むらやく人の
見どかめければ
そのすがた
きへうせしと
なん
【左丁】
五(ご)条(でう)橋(はし) 千人(せんにん) 取(どりの)怪
五でうはしの
ほとりにいでゝ
人をとりくらふ
大にうどうありければ
ゆふくれより
おゝらい
とまり
たれ
あつ
て
かよふ
もの
もな
かり
ける
にうどうのかたちせいのたかさ一じやうばかりめの
ひかりかわにうつりてこへの【声の】ひゞきやまにこたへつかも
四しやくはも四しやく大なぎなたをつへにつきせなか
にはすにんのくびをくゝしつけゆふくれよりはしの
たもとにいづるをなんかたりぬ