翻刻
【右丁】
越(えつ)
中(ちう) 俱利伽(くりか)
羅谷(らたに)
巴(ともへ) 女(じょ)の
怪
いまはむかし
ゑつちうくり
からたに
と
いへる
に
うつ
【左丁】
くしき女
いでゝおふきなる
かぶとはち【兜鉢】を
もつて
ゆきき
の人
に
みつ
を
くんでくれ
よとこふやら
ねばそでごひのごとく
どこまてもついて一つるべくれよと
いふうるさきゆへ一つるべづゝのち
にはくんでやりぬればみつを
もらふとすがたはたちまちきへ
うせるとなんさればこのやまを
のぼらんとするときは一つるべづゝ
やるゆへ人つるべとあやまりまた
なみ〳〵とみつをこのむゆへなみはともへ
のかたちなれば【注】いつしかくりからたにの
ともへ女とよひともへ女の人つるべと
いまの世までもいゝつたふ
【波巴また巴波などの言い方がある】