翻刻
【見返し】
184350
大正7.3.31
【左ページ】
叙
《割書:予》謹(つゝしん)で。賜民(しみん)薬方(やくはう)を刻(こく)す是則
政府(せいふ)濟世(よをすくふ)の賜方(しはう)也。人の世(よ)に居(を)る蓋(けだし)病傷(へいしやう)少からす。然(しか)れども躬(み)
自(みつか)ら其/良方(りやうはう)を知る人/鮮(すくな)く。街巷(かうかう)の人と雖(いへ)とも前(まへ)を跋(ふみ)。後(しりへ)に疐(つまづ)く。
而(しかる)を况(いはん)や邉鄙(へんひ)の人をや。是(これ)をもつて急備(きうび)の切なく。苗(なへ)の秀(ひいで)ざる
が如く。或(ある)は秀(ひいで)て實(みのら)ざるがごとし。爰に
政府の仁政日に新(あらた)にして。膏澤(がうだく)赤子(せきし)におよぼし給ふ事/廣太(くわうたい)なり
抑此良方は大都(おほむね)田野(でんや)の薄品(はくひん)にて。至賎(しいせん)児女(じちよ)も製(せい)し易(やす)く。其/治術(ぢじゆつ)も
亦/尋常(よのつね)の半(なかば)にして。其切かならず倍(ばい)し。誠に非常(ひじやう)の靈方(れいはう)なり嗚呼(あゝ)
宜哉(むべなるかな)是方。名家(めいか)の奥義(あうぎ)良醫(りやうい)の秘㫖(ひし)也。予/鄕黨(きやうたう)此/患(うれひ)に逢時(あふとき)は
恃(たく)に是方を施(ほどこ)し。忽然(こつぜん)として全活(ぜんくわつ)す。最(もつとも)希世(きせい)の神方なり。今/幸(さいはひ)に