翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

救民薬方録 - 翻刻

救民薬方録 - ページ 5

ページ: 5

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【右ページ】 堯天(げうてん)を戴(いたゞ)き。國恩(こくおん)を被服(ひふく)すといへども。素(もと)より固陋(ころう)の見(けん)如何(いかん)ぞ 萬分(まんぶ)を奉答(ほうたう)せん哉(や)。謹(つゝしん)で是方を三/復(ふく)するに。所謂(いはゆる)良藥(りやうやく)秘術(ひじゆつ) と號称(がうせう)して。その方/敢(あえ)て他(た)に《振り仮名:不_レ免|ゆるさゞる》も豈(あに)此方にしかん哉。夫/四海(しかい)の大。 九州の廣(くわう)。如何ぞ人々/不知(しらず)して普(あまね)く急に備(そな)へんや。仍て是を梓(し)に付(ふ)し。 家々に傳へ。戸々に曉(さと)さんとす。敢(あへて)以て國恩(こくおん)を奉答すと云ん哉。庻㡬(こいねがはく)は 《振り仮名:與_レ衆|しゆうと》共に是に由(よる)も亦《振り仮名:弗_レ畔|そむかざる》べき欤(か)。且《割書:予》歷代(れきだい)《振り仮名:所_レ傳|つたゆるところ》の短方(たんはう)も。亦 卷末(くわんまつ)に記(しる)して世に示(しめ)さんとす。《割書:予》を以て方を廃(はひ)すべからずと云爾(しかいふ)。             奥州須加川  文化辛未年正月       阿部正右衞門正興              【印】阿部【印】正興之印 【左ページ】   ○大人小児/急病(きうひやう)或は急難(きうなん)を救(すく)ひ治(ち)する秘方(ひはう)を左に記(しる)し候者也          ○ 一/病犬(やまひいぬ)に喰(くは)れたる口。早速/杏仁(きやうにん)を赤(あか)くなる程/炒(いり)て能(よく)摺(すり)つぶし。疵(きず)口の大小  口に随(したが)ひ。銭(ぜに)ほどにも碁石(ごいし)ほどにもして。味噌(みそ)を炙(や)くごとく灸(きう)すれば。杏仁の  中(なか)へ血(ち)を吸込(すいこむ)なり。此(かく)のごとく幾度(いくたひ)も取(とり)かへ血出(ちで)止(や)み疵(きす)口いたみ候時/止(やめ)てよし。  若(もし)疵/浅(あさ)く血出ずとも毒(とく)は杏仁の中へ吸こみ後(のち)の患(うれひ)なし。疵口△是ほど  ならば◯《割書:杏仁の大さ|是ほとにすべし》但し廻りを厚(あつ)く。中を少し薄(うす)くして艾(もぐさ)を沢山に置くべし。  疵くちに湯(ゆ)水のつく事を忌(い)むなり。又杏仁のこしらへやうは。湯(ゆ)に浸(ひた)し  皮(かわ)を去(さ)り。うちの肉(にく)を刻(きざみ)て炒(いる)べし。 一疵口に風のあたるを大いに忌(いむ)べし。 一/韮(にら)を搗(つき)。しぼり汁(しる)を一ぱいづゝ。七日め〳〵に飲(の)み。七々四十九日までに七/杯(はい)を  呑(のむ)ときは毒(どく)うちへ入事なし。 一又/升麻葛根湯(せうまかつこんとう)を呑(のめ)ばなほよし。 一/犬(いぬ)に咬(かま)れしあと禁忌(つゝしみいむ)  一/胡麻(ごま) 一/麻仁(まにん)  一あづき 一あぶらけ類 一里いも 一そうめん  一ねぎ 一のびる  一わけぎ 一あさつき  一ちもと 一かりひる  一生魚 一川魚 ◯此外/都(すべ)てくさき匂(にほ)ひあるもの