翻刻
【右丁上段】
するに塵壺(ぢんこ)の事か
○温壺(うんこ)はいにしへ湯(ゆ)を入て手(て)
足(あし)をあたゝむるものなり今
は花瓶(くはひん)にもちゆ
○觶(たん)はいにしへのさかづきなり
今は花瓶(くはひん)にもちゆよつて花(くは)
觶(たん)といふなり
○觚(こ)はいにしへのさかづきなり
唐音(たうゐん)にこれをこつふと云
今(いま)花瓶(くはひん)にもちゆ
○罍(らい)はもたいなり酒(さけ)を入る
ものなり雲雷(うんらい)のかたちを
ゑがくゆへ罍(らい)といふ
○鐺(たう)はなへのたくひ耳足(みゝあし)有
酒鐺(しゆたう)薬鐺(やたう)などあり
○湯婆(とうば)はたんほなり桐(きり)銅(あかゞね)
【左丁上段】
陶(つち)などにて作(つく)り湯(ゆ)を入て足(あし)
をあたゝむるもの也/脚婆(きやくは)湯媼(たうあう)
ともいふ今は酒器(しゆき)に用(もち)ゆ
○漏斗(ろと)は今いふ上戸(じやうご)なり酒(さけ)を
うつすものなり
○尊(そん)はいにしへの酒(さけ)を入るたる
なり今は花瓶(くはひん)にもちゆ
○彛(い)は古(いにしへ)の酒尊(しゆそん)なり今(いま)香(かう)
炉(ろ)とす彛炉(いろ)といふ
○笥(し)はげなり箱(はこ)の通称(つうせう)なり
食物(しよくもつ)又は衣類(いるい)を入るはこなり
○洗(せん)は古(いにしへ)の盥洗(くわんせん)のすて水(みづ)をうくる
の器(き)也/俗(ぞく)にこれを飯銅(はんとう)といふ
○簠(ほ)は古(いにしへ)の祭(まつり)のうつはもの
なり黍(あわ)稷(きび)をもるものなり
○湯鑵(たうくはん)は湯(ゆ)をわかすなべなり
【右丁下段挿絵】
耳壺(じこ) 鍑(ふ)《割書:さかり》 簋(き) 樏(るい)《割書:わりご》
風炉(ふうろ) 水罐(すいくはん)《割書:みづかめ》
【左丁下段挿絵】
銅銚(とうてい)《割書:てうし》 銅提(とうてい)《割書:ひさげ》 提炉(ていろ)《割書:ちやべんたう》
提盒(ていがう)《割書:さげじう》 雪洞(せつたう) 嚢(なう)《割書:ふくろ》
吹筒(すいとう)《割書:ひふき》 鎖(さ)《割書:じやう》