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朝鮮征伐記(てうせんせいばつき)巻之六
黒田長政(くろだながまさ)金海稷山城(きんかいしよくさんしやう)を攻(せめ)とる事(こと)
偖(さて)黒田甲斐守長政(くろだかひのかみながまさ)は。加藤(かとう)小西(こにし)があとを詰(つめ)て進(すゝ)みし事(こと)故(ゆゑ)。珍(めづ)らしき
戦(たゝか)ひにも出合(いてあは)ず。将士(しようし)ともに無念(むねん)におもひいかにもして。敵(てき)を破(やぶ)つて功名(こうみやう)
を顕(あらは)さんとおもふて進(すゝ)み行(ゆく)ところに。東萊(とくねぎ)より北(きた)にあたつて金海城(きんかいじやう)と云
ところ有(あり)。朝鮮(てうせん)の兵馬使(へいばし)伯子顔(はくしがん)といへるを大将(たいしやう)として。多(おほ)くの敵兵(てきへい)こ
もるよし聞(きこ)えければ。大(おほい)に歓(よろこ)び手勢(てぜい)二万 騎(き)計(ばかり)金海城(きんかいじやう)へおし寄(よす)る。先(さき)
手(て)は栗山備後利安(くりやまびんごとしやす)なり。此(この)栗山(くりやま)はかくれなき勇将(ゆうしやう)なれば。金海城(きんかいしやう)へ寄(よす)る
とひとしく町々(まち〳〵)を押破(おしやぶ)り。風(かぜ)により火(ひ)をかけたりしかば。城中(じやうちう)よりも是(これ)を