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コレクション: コレクション1

BnF. Département des manuscrits. Japonais 190-191 - 翻刻

BnF. Département des manuscrits. Japonais 190-191 - ページ 301

ページ: 301

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一先(ひとまつ)此陣(このぢん)を引(ひき)かへし給ひなば。よろしかるべき謀慮(ばうりよ)ならんと申されける清(きよ) 正(まさ)聞(きい)て。此札(このふだ)を朝鮮人(てうせんじん)い立(たて)たると加州(かしう)には思召(おほしめす)や。我等(われら)はさやうには存(ぞん)ぜぬ なり。即(すなは[ち])天照太神(てんしやうだいじん)八幡宮(はちまんぐう)の御。示(しめ)しと存(ぞん)ずれば。神慮(しんりよ)にまかせ押付(おしつけ)王(わう) 子(じ)を生捕(いけどり)て見(み)せ申さん。其内(そのうち)は此辺(このへん)にてゆる〳〵休息(きうそく)し給ひと。不興気(ふけふげ) に云(いひ)はなし。兵士(へいし)に下知(げぢ)して打立(うちたち)ける。此時(このとき)清正(きよまさ)は安城(あんき)の郷民(がうみん)二人捕(とら)へ。これ より北路(ほくろ)の案内(あんない)せよと云(いひ)ければ。二人の百 姓(しやう)云(いひ)けるは此所(こゝ)に久(ひさ)しく住(すむ)といへども。 是(これ)より北道(ほくたう)は終(つゐ)に通(とほ)らず候 得(え)ば。案内(あんない)なすべきやうなしと。中(なか)にも一人 口(くち) 強(こは)にあらそひけるを。清正(きよまさ)大(おほい)に腹(はら)を立(た)ち口(くち)の利(きゝ)たる奴(やつ)かなと。やがて切(きつ)て捨(すて) させたりけるに。一人の百 姓(しやう)大(おほい)におそれ何卒(なにとぞ)命(いのち)を助(たす)けて給はり候へ。実(まこと)は案(あん) 内(ない)をは克(よく)存(ぞん)じたる事となげきける。清正(きよまさ)大(おほい)に打笑(うちわら)ひ左(さ)も有(ある)べし。さらば