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コレクション: コレクション1

BnF. Département des manuscrits. Japonais 190-191 - 翻刻

BnF. Département des manuscrits. Japonais 190-191 - ページ 308

ページ: 308

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と名乗(なのり)て王子(わうじ)を受取(うけとり)申さんといふ。清正(きよまさ)聞(きい)て最(もつと)も汝(なんぢ)が申ところ一 理(り)なきにもあらず。 去(さり)ながら我(われ)一 国(こく)の大将(たいしやう)たる身(み)として両国(りやうこく)の交(まじは)りのみならず。敵国(てきこく)の王子(わうじ)を生捕(いけど)る 節(せつ)に望(のぞ)み其信(そのしん)を守(まも)らず。おそれて其身(そのみ)を陰(かく)し家(いへ)の子(こ)を我(われ)ぞと名乗(なの)らせんは。 実(まこと)に武将(ぶしやう)の身(み)にとりて恥(はぢ)る所(ところ)なり。其上(そのうへ)我(われ)日本(につほん)を出(いで)しより屍(かばね)は朝鮮国(てうせんこく)の沙(しや) 石(せき)に曝(さら)さんこと。是(これ)我(わか)覺悟(かくご)せし処(ところ)なり。今(いま)是(これ)王子(わうし)を擒(とりこ)にするとて我(われ)に過(あやま)ちあ ればとて何(なん)ぞ忠義(ちうぎ)の立(たゝ)ざある事(こと)かあらん何(なに)をか辞(じ)する事(こと)あらんやと。早天(さうてん)に城中(じやうちう) に案内(あんない)すれば。鞠景仁(きくけいじん)が輩(ともから)大(おほい)に歓(よろこ)び城門(じやうもん)をひらいて清正(きよまさ)を内(うち)に入(いれ)。あとに つゝひて加藤家(かとうけ)名代(なだい)の勇臣(ゆうしん)。五十 余人(よにん)まで込入(こみいつ)たり清正(きよまさ)は鞠景仁(きくけいじん)に案内(あんない) させ。王子(わうじ)の居(ゐ)給ふ所(ところ)を取巻(とりまき)美濃部金太夫(みのべきんだいふ)を以(もつ)て云(いわ)せけるは。日本(につほん)の将(しやう)加藤(かとう) 清正(きよまさ)此所(このところ)まで追(おひ)かけ参(まゐ)り候。とてものがし奉(たてまつ)らず候 間(あひだ)。唯(たゞ)こなたの陣(ぢん)へ入ら