Gallicaの日本資料を翻刻!

コレクション: コレクション1

BnF. Département des manuscrits. Japonais 190-191 - 翻刻

BnF. Département des manuscrits. Japonais 190-191 - ページ 323

ページ: 323

翻刻

  ち孫兵衛(まこへゑ)を引仆(ひきたふ)し剣(けん)【劔は俗字】をもつて突殺(つきころ)しけるあはれむへし孫兵衛(まこへゑ)は   生年(しやうねん)三十三才にて討死(うちじに)なしたりける義太夫(ぎたいふ)救(すく)はんとなしけれども敵(てき)のた   めに隔(へだ)てられ救(すく)ふことあたはずとなんかくて清正(きよまさ)は孫兵衛(まこべゑ)の討死(うちじに)をしら   ず居(い)られしが阿波伊兵衛(あはいへゑ)といふ者(もの)清正(きよまさ)へかくと告(つげ)ければ清正(きよまさ)大(おほい)になげ   き早速(さつそく)人(ひと)をつかはし孫兵衛(まごべゑ)の死骸(しがい)を取(とり)よせ我膝(わがひざ)へ首(くび)をのせさせむ   なしき額(ひたい)をなで涙(なみた)をながし云(いひ)けるは朝鮮(てうせん)の都(みやこ)へ討入(うちいり)の時(とき)秀吉公(ひでよしこう)へ注(ちゆう)   進(しん)の使者(ししや)を命(めい)ぜしに都城(とじやう)の軍(いくさ)大事(だいじ)なれば此使(このつかひ)は他人(たにん)へ申 付(つけ)くれよ   とありしかど大事(だいじ)の使者(ししや)ゆへ弁舌(べんせつ)よく場(ば)なれたる者(もの)ならでは申 付(つけ)   がたしとさま〳〵すかして遣(つかは)せしに滞(とどこふり)なくかへり来(きた)りし時(とき)我尋(われたづね)けるは日(につ)   本(ほん)へ参(まゐ)りしつひで汝(なんぢ)が老母(らうぼ)に対面(たいめん)せしかと申せし時(とき)母(はゝ)の方(かた)へは使(つかひ)をつか