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コレクション: コレクション1

BnF. Département des manuscrits. Japonais 190-191 - 翻刻

BnF. Département des manuscrits. Japonais 190-191 - ページ 324

ページ: 324

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  はし候まてにて立寄(たちより)申さずと。潔(いさき)よく荅(こた)へしが其後(そのゝち)また母(はゝ)は無事(ぶじ)に   てありしかと尋(たづ)ねけるに。左(さん)候 使(つかひ)の者まゐりし時(とき)門(かど)まで立出(たちいで)申けるは。我(われ)は無(ぶ)   事(じ)にてあれば決(けつ)して心(こゝろ)にかくることなかれ。我(わ)がことをおもふて未練(みれん)の働(はたら)   きをなしなば。生々世々(しやう〳〵せゝ)口おしかるべし只(たゞ)弓矢(ゆみや)とる身(み)は。名(な)こそおしく   候へ明日(あす)をもしらぬ老(おひ)の身(み)なれば。かまへて我有(われあり)とおもふべからず名(な)を揚(あ)げ   高名(かうみやう)をあらはすべしと申候よし。使(つかひ)の者(もの)かへり語(かた)り候と荅(こたへ)し折(をり)。両眼(りやうがん)に涙(なみだ)   をうかめ語(かた)りしが。嘸(さぞ)母(はゝ)のこと心(こゝろ)にかゝるべし。なれども清正(きよまさ)かくてあらん   限(かぎ)りは。汝(なんぢ)が母(はゝ)は我(われ)太切(たいせつ)に養(やしな)ふべければ少(すこ)しも心(こゝろ)かくることなかれと。生(いき)たる   人(ひと)に云(いふ)ごとく申(もう)されければ。側(そば)に聞居(きゝゐる)勇士(ゆうし)をはじめ心(こゝろ)なき兵卒(へいそつ)まで。鎧(よろい)   の袖(そて)をぬらしける。かくて清正(きよまさ)は孫兵衛(まこべゑ)が討死(うちじに)を無念(むねん)におもひ。当(たう)の敵(てき)な