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なきを感(かん)し。秀吉公(ひてよしこう)はまた諸大名(しよたいみやう)の中(なか)に雜(ましは)り出(いで)て笑物語(わらひものがたり)などし。酒茶(しゆちや)の
遊(あそひ)をなし軍士(くんし)の窮(きう)をなぐさめ給ふは。実(じつ)に英雄(えいゆう)名大将(めいたいしやう)の手段(しゆだん)とこそ聞(きこ)へけれ。
小西行長(こにしゆきなか)朝鮮勢(てうせんぜい)を破(やふ)る事(こと)
かくて小西行長(こにしゆきなが)は第一(だいゝち)の先陣(せんぢん)なれば。朝鮮王(てうせんわう)の行在所(あんさいしよ)へ押詰(おしつめ)諸将(しよしやう)に増(まさ)りし
功(こう)を顕(あら)はさんと。勇(いさ)み進(すゝ)んで押行(おしゆき)すでに臨津(りんしん)をはなれて五里計(ごりはかり)も行(ゆき)たりけん
とおもふ時。朝鮮の将(しやう)申硈(しんきつ)を先鉾(せんほう)として都元帥(とけんすゐ)金命元(きんめいけん)京畿監司(けいきかんし)権徴(けんてつ)【ママ コマ339では「けんてう」とす。】等(ら)
五万 余(よ)の軍(ぐん)を引(ひい)て。臨津(りんしん)にて倭兵(わへい)を防(ふせが)んと押来(おしきた)るにはしなく出合(いてあひ)たり。双方(さうはう)
陣(ぢん)を張(はり)戦(たゝかひ)をいどみけるに。朝鮮勢(てうせんせい)は土地(とち)の案内(あんない)くわしけれはこゝかしこより
討(うつ)て出(いで)て。小西(こにし)が兵(へい)をなやませける故(ゆゑ)行長(ゆきなが)大(おほい)に心(こゝろ)をくるしめ。いく〳〵工夫(くふう)をめ
ぐらし一ツの手術(てたて)をなし。陣頭(ぢんとう)に進(すゝ)んで味方(みかた)に下知(げぢ)して戦(たゝ)かはしむ申硈(しんきつ)は元来(もとより)