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つぎ世(よ)を伝(つた)へたる事(こと)。千百四拾八年 商(せう)の武丁(ぶてい)乙未(きのとひつじ)の年(とし)に至(いた)るといへり。此(この)
後(のち)又(また)殷(いん)の箕子(きし)周(しう)の武王(ぶわう)に封(ふう)ぜられ始(はじ)めて。此国(このくに)に至(いた)るまでは時世(じせい)ははるか
に隔(へだ)たれど。誰(たれ)かその世(よ)をうけ伝(つた)へ幾世(いくよ)をかへたりけん正(たゞ)しき史説(じせつ)なきゆゑ
に。彼国(かのくに)に人(ひと)の論(ろん)と云(いへ)とも疑(うた)がはしきの一事(いちじ)とす。武王(ぶわう)既(すで)に殷紂(いんちう)が無道(ぶだう)を誅(ちゆう)し
その有道(ゆうたう)をたつとび。紂(ちう)が諸父(しよふ)大師(たいし)の官(くわん)箕子(きし)が大賢(たいけん)なるを以(もつ)て朝鮮(てうせん)
候(こう)になし給ふ。箕子(きし)此国(このくに)を給(たま)はりしより平壌(へくしやく)に都(みやこ)を立(たて)たれど。其民(そのたみ)猶(なほ)も
愚痴(ぐち)なるを教(お)しへ。五穀(ごゝく)を種(う)ふるの道(みち)をつくし蠶(こがい)の糸(いと)を繰(いとく)り。織工(しよくこう)を
なさしむ国(くに)を治(おさ)むる条目(でうもく)。八ヶ条(でう)にかぎりて其(その)制禁(せいきん)を立(たて)定(さだ)む。爰(こゝ)に於(おい)て
国内(こくない)大(おほい)に治(おさ)まり。国(くに)に盗賊(たうぞく)のあとたゆれば自(おのづか)ら門戸(もんこ)を閉(とづ)る事(こと)もな
し。女(おんな)は夫(おつと)に貞節(ていせつ)をつくすの道(みち)をしる。箕子(きし)はじめ此所(こゝ)に至(いた)る時(とき)中(ちう)