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朝鮮征伐記(てうせんせいばつき)巻之九
清正(きよまさ)征東使(せいとうし)伯寧将軍(はくねいしやうぐん)を擒(とりこ)とする事(こと)
かくて加藤主計頭清正(かとうかすべのかみきよまさ)は。兀良哈人(おらんかいじん)を打破(うちやぶ)り安辺(あんへん)ちかく引上來(ひきあげきた)りける処(ところ)
に朝鮮四道(てうせんしどう)の元帥(げんすい)征東使(せいとうし)伯寧将軍(はくねいしやうぐん)といへる者(もの)。此道(このみち)へ落來(おちきた)り瓶愈浦(へいゆうほ)
といふところに隠居(かくれゐ)て。しきりに軍兵(ぐんひやう)を集(あつ)め清正(きよまさ)の帰路(きろ)をさへぎらんとする
よし聞(きこ)へければ。清正(きよまさ)おもふやう味方(みかた)の兵(へい)にくらぶれば。敵(てき)は自国(じこく)のことゆゑ定(さだめ)て
大勢(たいぜい)ならん。兵(へい)の少(すくな)きを見(み)すかされなば戦(たゝか)ひ難義(なんぎ)なるべし。敵(てき)より寄(よせ)ざる
先(さき)に此方(こなた)より押寄(おしよせ)。打散(うちちら)さんにしかじと思慮(しりよ)をなし。諸将(しよしやう)へ其旨(そのむね)をしめし夫(それ)より
所(ところ)の者(もの)を案内者(あんないじや)となし。先陣(せんぢん)は鵤平治(いかるがへいぢ)。井上大九郎(ゐのうへだいくらう)。小代下総守(こしろしもふさのかみ)の三人