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コレクション: コレクション1

BnF. Département des manuscrits. Japonais 190-191 - 翻刻

BnF. Département des manuscrits. Japonais 190-191 - ページ 384

ページ: 384

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追(お)ふことなかれとて。軽(かる)く兵(へい)を引上(ひきあげ)もとの陣所(ぢんしよ)へ引取(ひきとり)ける。今日(こんにち)の合戦(かつせん)大敵(たいてき)といひ つゞく味方(みかた)はなし。万死一生(ばんしいつしやう)の大事(だいじ)なりしを。栗山(くりやま)。後藤(ごとう)。衣笠(きぬがさ)。毛利(もり)。黒田(くろだ)。が輩(ともがら)手(て) を碎(くだ)き大軍(たいくん)を切崩(きりくづ)しけること。比類(ひるひ)なき働(はたら)きなりと感(かん)ぜぬ者(もの)はなかりける。栗山備(くりやまびん) 後(ご)は。左(ひだ)りの高股(たかもゝ)右(みぎ)の小臂(こひぢ)内甲(うちかぶと)四ヶ所(しよ)ほど手(て)を負(おひ)たり。其外(そのほか)将卒(しやうそつ)ともに三四ヶ所(しよ)づゝ 手(て)を負(おは)ざるはなかりける。かくて又(また)黒田長政(くろだながまさ)は葛原(かつげん)に陣(ぢん)して居(ゐ)られけるところに。狼川(らうせん) よりの注進(ちゆうしん)を聞(きく)とひとしく。兵(へい)を引率(ゐんそつ)し揉(もみ)にもんで馳着(はせつき)きかど。早(はや)合戦(かつせん)もすみて味(み) 方(かた)の手負(ておひ)などを療治(れうぢ)なして居(ゐ)たるところなれば。大(おほい)に歓(よろこ)び直(たゞち)に栗山(くりやま)が陣所(ぢんしよ)に入(い)りて 申されけるは。何(なに)とて卒爾(そつじ)に合戦(かつせん)を好(この)み候やと云(いは)れける時(とき)。備後(びんご)は手負(ておひ)たる故(ゆゑ) 傍(かたはら)に寄(より)かゝりて居(ゐ)たりしが。眼(まなこ)を怒(いか)らしながら。敵(てき)押寄(おしよせ)候につき合戦(かつせん)仕(つかまつり)候と返(へん) 荅(たふ)し。不興氣(ふけうげ)なる体(てい)なりけるに長政(ながまさ)涙(なみだ)をながし。左様(さやう)に立腹(りつふく)は尤(もつとも)ながら卒(そつ)