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羅伐(らばつ)と名付(なつけ)其姓(そのせい)を朴(ぼく)と云(い)ふ。是(これ)は卵(かいこ)を剖(▢▢)て破(はり)し其形(そのかたち)の朴(ほく)に《割書:朝鮮瓠(てうせんひさこ)を|呼(よ)んて朴(ほく)と云》似(に)
たるをもつてなり。其(その)妃(ひ)をは閼英(あつえい)と云(い)ふ此女(このおんな)もまた變生(へんせう)にして。閼英井(あつえいゐ)の龍(りやう)の
子(こ)なるを以(もつ)て如何(いか)に名付(なづけ)たり。其生質美色(そのうまれつきびしよく)あるを以(もつ)て立(たつ)て妃(ひ)となしたる
なり。寔(まこと)に此女(このおんな)賢徳(けんとく)の行(おこなひ)ありて内(うち)を治(おさ)むる道(みち)正(たゝ)しく。宮中(きうちう)の婢(ひ)に至(いた)るまで
恩愛(おんあい)の深(ふか)きになづいてければ。内外(ないくわい)これを悦(よろこ)んで二聖(じせい)の御代(みよ)と仰(あふ)きける。斯(かく)
て国(くに)を享(う)くること六十年に及(およ)びける。其子(そのこ)南解(なんかい)に国(くに)を譲(ゆづ)り。是(これ)を二 代(たい)の朴(ほ)
南解(なんかい)と云(い)ふ此時(このとき)にあたつて。南解(なんかい)が在位(ざいゐ)五 年(ねん)の春(はる)。昔脱解(せきたつかい)と云(い)ふ者(もの)を南(なん)
解(かい)が婿(むこ)にとる。此者(このもの)旧(もと)は木多那国(もくたなこく)と云(い)ふ処(ところ)の者(もの)なり。其国(そのくに)は日本(につほん)より東北(とうほく)
の方(かた)一千 里(り)に当(あた)れるなり。その国(くに)の王(わう)の女妻(ちよさい)一ツの卵(たまこ)を生産(せうさん)せしを。国王(こくわう)これを
不祥(ふせう)として速(すみやか)に棄(すて)さしむ。其妻(そのつま)我(わか)産(うめ)る恩愛(おんあい)の引(ひ)くところより。卵子(たまこ)を捨(すつ)