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より子孫(しそん)うけつぎ。第(だい)廿六代をば栄留王(えいりうわう)と称号(しようがう)す其得(そのうまれつき)昏愚(こんぐ)暗弱(あんしやく)にして
政(まつりこと)を自(みつか)らせす賊臣(ぞくしん)蘇文(そぶん)に打まかせたるにより。彼すでに国(くに)を奪(うは)はんとする
に至(いた)りて栄留(えいりう)俄(にはか)にこれを心(こゝろ)づき。其力(そのちから)をも計(はか)らず弱(よわ)きを以(もつ)てみだりに強(きやう)を制(せい)
せんとしてければ。かへつて彼(かれ)がために殺(ころ)さるゝは本意(ほんい)なかりける次第(しだい)なり。第(だい)
二十八代 宝蔵(ほうざう)が位(くらゐ)に立(たつ)にいたる。是又(これまた)蘇文(そぶん)が立(たつ)るところなれば君位(くんゐ)に居(おる)
の名(な)のみにして。一国(いつこく)の政事(せいじ)権抦(けんへい)全(まつた)く下(しも)に移(うつ)りて。国民(くにたみ)ともに蘇文(そぶん)が民(たみ)と
なる。彼(かれ)が凶悪(きやうあく)日々(ひゝ)まさり行(ゆ)き我(わが)まゝのきわめには。唐帝(たうてい)の使臣(ししん)を囚(とら)へ
て中国(ちうこく)の命(めい)に違(たが)へば。爰(こゝ)におゐて唐(たう)の太宗(たいそう)憤怒(ふんぬ)の余(あま)り。彼(かれ)が弑逆(しいきやく)の罪(つみ)を鳴(なら)
して自(みづか)ら六軍(ろくぐん)の兵士(へいし)を盛(さか)んにして。是(これ)を討伐(とうはつ)し給へども勝利(しやうり)なふして一端(いつたん)
軍(いくさ)をかへし給ふなり。しかりといへども兵家(へいか)に所謂(いわゆ)る小国(せうこく)の大国(たいこく)に克(かて)るは。