徳島県立図書館所蔵資料を翻刻

コレクション: コレクション1

花土産 - 翻刻

花土産 - ページ 32

ページ: 32

翻刻

  吹流されて那賀郡答島に入   湊此さとに住る福田氏は近きゆ   かりなれは舎りを求むけふしの雨   風は久しふりに相見るさちを得たりと   あるしの老幼いと切にもてなし侍る   かく行さき〳〵にて厚き情の身に   あまりぬるはいかなる神の恵みにやと   そゝろに涙そ袖に落ける 真帆ならぬあらしの色やむらさきの ゆかりの花にやとり定めて   日もまた暮るともみえねはなき   ひと〳〵の墓に詣て したへとも其おもかけは夏草の 露けき袖にしのふむかしを   翌早天謝詞をのへていて立侍る   此日一天かき雲て晴るともなく降   ともなく雨具もいらす中田千代の