翻刻
【右頁】
甜瓜(てんくわ|まくわうり)《割書:本-草網-目》
《振り仮名:小-毒|せうどく》あり春(はる)《振り仮名:下-種|かしゆ》し《振り仮名:蔓-延|まんえん|はびこる 》す其節毎(そのせつごと)に葉(は)を生(しやう)じ《振り仮名:黄-花|わうくわ》を開(ひら)き瓜(くわ)を結(むす)ぶ
初(はじめ)《振り仮名:緑-色|りよくしよく》熟(じゆく)すれば《振り仮名:黄-色|わうしよく》或(あるいひ)は《振り仮名:青-色|せいしよく》多(おほ)く食(しよく)すべからず《振り仮名:黄-疸|わうだん》を発(はつ)し眼(め)を害(がい)
す《振り仮名:脚-気|きやくけ》の人(ひと)これを食(しよく)すれば《振り仮名:平-愈|へいゆ》しがたし《振り仮名:両-鼻|りやうひ|ふたはな 》《振り仮名:両-蒂|りやうてい|ふたなり 》の者(もの)甚(はなは)だ毒(どく)深(ふか)し
水(みづ)に沈(しづむ)もの食(しよく)すべからず《振り仮名:蘿-藦|らま|かゞいも 》《振り仮名:油-煠|いゆてふ|あぶらあげ 》と《振り仮名:同-食|とうしよく|なじくくらふ》すべからず其汁(そのしる)《振り仮名:刃-剣|じんけん|やいばつるぎ》に傅(つけ)ば
忽(たちまち)鏽(さび)を生(しやう)ず又(また)うばうりと云(い)ふあり其(その)《振り仮名:一-種|いつしゆ》なり
【左頁】
胡瓜(こくわ|きうり )《割書:本-草網-目》
《振り仮名:小-毒|せうどく》あり春(はる)《振り仮名:下-種|かしゆ》し《振り仮名:蔓-延|まんえん|はびこる 》す葉(は)《振り仮名:冬-瓜|とうくわ|とうがん 》に似(に)て《振り仮名:細-毛|さいまう》あり夏(なつ)《振り仮名:六-弁|ろくべん》の《振り仮名:黄-花|わうくわ》を開(ひら)き
瓜(くわ)を結(むす)ぶ《振り仮名:疣-子|いぼ》あり初(はじめ)《振り仮名:緑-色|りよくしよく》熟(じゆく)すれば《振り仮名:赤-黄-色|せきわうしよく》又(また)《振り仮名:白-色|はくしよく》の者(もの)あり《振り仮名:多-食|たしよく》すれば瘧(ぎやく|わらはやみ)
を発(はつ)し《振り仮名:上-逆|しやうぎやく|のぼせる 》せしめ《振り仮名:陰-血|いんけつ| ち 》を損(そん)じ《振り仮名:疥-瘡|かいさう|ひぜん 》を発(はつ)す《振り仮名:小-児|せうじ|こども 》忌(いむ)べし《振り仮名:妊-婦|じんふ|はらみをんな》食(しよく)すべから
ず《振り仮名:越-瓜|ゑつくわ|しろうり 》《割書:同_レ 上》は毒(どく)なし多(おほ)く《振り仮名:生-食|せいしよく|なまでくらふ》すれば《振り仮名:臍-下|さいか|ほそのした 》に《振り仮名:塊-物|くわいぶつ|かたまり 》を生(しやう)じ《振り仮名:諸-瘡|しよさう|もろ〳〵のできもの》を発(はつ)す
《振り仮名:小-児|せうじ|ことも 》《振り仮名:病-人|びやうにん|やまひあるひと》食(しよく)すべからず
現代語訳
【右頁】
甜瓜(テンカ|マクワウリ)《本草綱目》
小毒がある。春に種をまいて蔓延する。その節ごとに葉を生じ、黄色の花を開いて瓜を結ぶ。
初めは緑色で、熟すと黄色または青色になる。多く食べてはならない。黄疸を発し、目を害する。
脚気の人がこれを食べると治りにくい。両鼻・両蒂のものは甚だ毒が深い。
水に沈むものは食べてはならない。蘿藦・油揚げと一緒に食べてはならない。その汁を刃や剣につけると
たちまち錆を生じる。またウバウリというものがあり、その一種である。
【左頁】
胡瓜(コカ|キュウリ)《本草綱目》
小毒がある。春に種をまいて蔓延する。葉は冬瓜に似て細毛がある。夏に六弁の黄花を開き、
瓜を結ぶ。疣がある。初めは緑色で、熟すと赤黄色、また白色のものもある。多食するとマラリア
を発し、のぼせを起こし、陰血を損じ、疥癬を発する。小児は忌むべきである。妊婦は食べてはなら
ない。越瓜《上に同じ》は毒がない。多く生食すると臍下に塊物を生じ、諸々の腫れ物を発する。
小児・病人は食べてはならない。
英語訳
【Right Page】
Sweet Melon (Tenka|Makuwa-uri) 《Bencao Gangmu》
It has mild toxicity. Seeds are sown in spring and it spreads by vines. It produces leaves at each node, opens yellow flowers, and bears melons.
Initially green in color, when ripe it becomes yellow or blue. It should not be eaten in large quantities. It causes jaundice and harms the eyes.
People with beriberi will find it difficult to recover if they eat this. Those with double noses or double stems are extremely toxic.
Those that sink in water should not be eaten. It should not be eaten together with Asclepias or fried foods. When its juice is applied to blades or swords,
rust immediately forms. There is also something called Uba-uri, which is a variety of this.
【Left Page】
Cucumber (Koka|Kyūri) 《Bencao Gangmu》
It has mild toxicity. Seeds are sown in spring and it spreads by vines. The leaves resemble winter melon and have fine hairs. In summer it opens six-petaled yellow flowers and
bears melons with warts. Initially green in color, when ripe it becomes reddish-yellow, and there are also white varieties. Excessive consumption causes malaria,
induces heat stroke, damages yin blood, and causes scabies. It should be avoided by small children. Pregnant women should not
eat it. White melon 《same as above》 has no toxicity. Eating much raw causes masses to form below the navel and various sores to develop.
Small children and sick people should not eat it.