翻刻
【右頁】
水仙(すゐせん|はるだま )《割書:本-草綱-目|和-漢通-名》
毒(どく)あり夏(なつ)《振り仮名:培-壅|ばいいよう|こやし 》すべし根(ね)《振り仮名:山-蒜|さんさん|のびる 》の如(ごと)し冬(ふゆ)に至(いた)り《振り仮名:四-葉|しえふ》生(しやう)じ《振り仮名:根-上|こんしやう|ねもと 》
《振り仮名:白-皮|はくひ|しろきかわは 》有(あり)て葉(は)の本(もと)を裹(つゝ)む《振り仮名:心-中|しんちゆう|まんなか 》より《振り仮名:一-茎|いつかう》生(しやう)じ《振り仮名:六-弁|ろくべん》の《振り仮名:白-花|はくくわ》
を開(ひら)き中(うち)に《振り仮名:黄-色|わうしよく》 の筒(つゝ)をなし蕋(ずゐ|しべ )あり《振り仮名:香-気|かうき|にほひ 》を発(はつ)す誤(あやまり)て根(ね)
を食(しよく)すれば忽(たちま)ち《振り仮名:暴-瀉|ばうしや|つよくくだる》す
【図】
【印 沼田月齋】
【左頁】
狗舌草(くぜつさう|さはをぐるま )《割書:本-草綱-目》
《振り仮名:小-毒|せうどく》あり春(はる)《振り仮名:池-沢|ちたく|いけさは 》及(およ)び《振り仮名:溝-瀆-中|こうとくちゆう| みぞのうち 》に生(しやう)ず《振り仮名:羊-蹄|いやうてい|ぎしく 》の葉(は)に似(に)て小(ちさ)く
厚(あつく)して《振り仮名:互-生|ごせい》す《振り仮名:茎-葉|かうえふ》ともに《振り仮名:白-毛|はくまう|しろきけ 》あり《振り仮名:心-中|しんちゆう》より茎(くき)を抽(ぬきん)で《振り仮名:茎-頭|かうとう》
に枝(えだ)を分(わか)ち《振り仮名:黄-色|わうしよく》の花(はな)を開(ひら)く形(かたち)《振り仮名:旋-覆-花|せんふくくわ| をぐるま 》の如(ごと)し又(また)《振り仮名:千-葉|せんえふ》のもの
ありくやうさうと云(い)ふ其(その)《振り仮名:一-種|いつしゆ》なり
【図】
【印 ◼[臼ヵ]】【印 政】
現代語訳
【右頁】
水仙(すいせん|はるだま)《本草綱目|和漢通名》
毒がある。夏に培養すべし。根は山蒜(のびる)のようである。冬になり四葉が生じ、根元に
白い皮があって葉の基部を包む。中央より一茎が生じ、六弁の白い花
を開き、中に黄色の筒を成し雌蕊がある。香気を発する。誤って根を
食すれば直ちに激しい下痢をする。
【図】
【印 沼田月齋】
【左頁】
狗舌草(くぜつそう|さわおぐるま)《本草綱目》
小毒がある。春に池や沢及び溝の中に生える。羊蹄(ぎしぎし)の葉に似て小さく
厚くして互生する。茎と葉ともに白い毛がある。中央より茎を抜き出し茎頭
に枝を分かち黄色の花を開く。形は旋覆花(おぐるま)のようである。また千葉のものが
あり「くやうそう」と言う。その一種である。
【図】
【印 ◼[臼ヵ]】【印 政】