翻刻
つかふうちぬめりとともにどうやらかうやら根(ね)もとまでぬつと入(い)る〽アヽもうわたしやア
フウ〳〵〳〵アヽどうせうねへ〽どうでもおまへのかつてにおし〽エヽにくらしいヨトしがみつき
開(ぼゝ)の奥(おく)からかたまつた湯(ゆ)のやうな淫水(いんすゐ)をどく〳〵〳〵ト出(だ)しかけハア〳〵〳〵アヽもう
もうフウ〳〵〳〵〽おまいのようにそうよがられてはわたしももうたまらねへソレいく〳〵
いく〳〵ト互(たがひ)に出(だ)しあふ溜淫水(こゝろのためみづ)垣(かき)に咲(さき)出(で)し夕顔(ゆふがほ)の花(はな)に置(おき)そふしら露(つゆ)もかくや
とばかりおもわれけり
若紫(わかむらさき)
手(て)につみていつしかも見(み)んむらさきのねにかよひける若(わか)くさやとしさへゆかぬ
生娘(きむすめ)のまだ恋(こひ)しらぬあどなさは手飼(てがひ)の雀(すゞめ)を小女(こをんな)がつい迯(にが)せしとてたちはらた
ちしたひむづる顔(かほ)にさへ愛敬(あいけう)づきし莟(つほみ)のはなまして盛(さかり)の年頃(としごろ)にもなりなん
にはと思(おも)ひやられて兼(かね)てより心(こゝろ)をかけし若(わか)おのこ三五の春(はる)を今(いま)ははや時待(ときまち)
得(え)たる心地(こゝち)してそろ〳〵手(て)なづけ言(いゝ)よれどわけて他(ひと)より晩稲(おくて)な生(うま)れとかく