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はかりなき千尋(ちひろ)の底(そこ)の心(こゝろ)をもあけて見(み)せたき我(わが)思(おも)ひいつか〳〵と待(まつ)うちにけ
ふは卯月(うづき)の中(なか)の酉(とり)の日(ひ)加茂(かも)の祭(まつり)が互(たがひ)の縁先(えんさき)客(きやく)を憩(いこは)す茶屋(ちやや)の奥(おく)にわかき
男女(なんによ)のふたりづれ〽此(この)間(あひだ)はちとかげんがわるいト聞(きゝ)ましたがもうおこゝろよいかへ〽ハイ
まだよろしくもございませんが今日(けふ)おまいさんがこのお祭(まつり)へおいでゆゑ一所(いつしよ)につ
れていつてもらふがよいお祭でも見(み)たらちつとは気(き)の晴(はれ)る事(こと)もあらうとおつ
かさんやおとつさんがおつしやるゆへあなたはおいやだらうとは思(おも)ひましたが〽なに他(た)
人(にん)ではなしことにおまいとわたしはいとこどうしの事(こと)なり何(なに)遠慮(ゑんりよ)がいるものかね
〽おまへさんがそんなにやさしくおつしやつておくんなさるといつそ涙(なみだ)がこぼれてなり
ません〽そんなあわれつぽい事(こと)をおいゝのもやつぱり病気(ひやうき)のせいだからもうそんな
ことはお言(いゝ)でない〽今日はあなたと御一所(ごいつしよ)ゆへ病気もわすれたやうでございます
〽なにわたしが病気の支配(しはい)でもしやアしまいし〽イヽエわたしの病気(びやうき)はおまいさんゆゑ
でございますものどうせなをるきづかひはございません〽エアノわたしに〇そうしてお