翻刻
【右丁上】
▲恋々情无薬(れん〳〵のせうくすりなし)
却説(かくて)寿兵へかむすめお梅ぶら〳〵と
とわづらいければ寿兵へふう婦は
ひとりむすめの事なればはり【針】
ほどのこともほう【棒】ほどに
大そうにしてかぜにあたつて
はわるひととぼぐちへも■【出ヵ】さず
お梅はけつく【結句=結局】久米のすけが
かほをみる事もなら
ねばいよ〳〵もだへて
しやくはだん〳〵ぞう
てう【増長】する これはきの
おとろへだから本町の
八味ぢわう【八味地黄丸】がよかろふ
といふものもあれば
いや〳〵このこの
むなさきへつかゆるは
しやくのせいだから
田町のはんごんたん【反魂丹】
をおもちいなさ
れといふものも
あり寿兵へは
人のよいと
いふものは
なんでも
のませて
はやくよく
【左丁上右へ】
【左丁上右】
してやりたいが
せいいつぱいな
ればどちらも
のがさぬつもり
にぢわうと
はんごんたんを
かつてかへに【交互に】
のませる
これこいの
わづらいおゝ
こちやしら
ぬといふうた
のこゝろいき
ににたり
【左丁上左】
〽ひるめしは
なにがよか
ろふの
【右丁右中】
〽ちときをはつきりと
もつたがよいわいのはるきやうげんが
はじまつたら二けんながらみせるぞや
【右丁左中】
〽なにもたべとふ
ごさんせぬ
【左丁左下】
田町の
おつかいが
かへり
まし
た