翻刻
入さる処え釣(つり)置べし寒中水に浸(ひた)すへし流(なかれ)の近き所は紙(かみ)に包(つゝみ)こも
にて能(よく)包(つゝ)み浸(ひた)すへし流不自由ならは水/桶(おけ)沢山に汲て浸
なり毎(まい)日水を替(かへ)へ三夜おきて四日目/朝(あさ)の内取あけ清水にて能すゝ
き日/表(おもて)にて裡(うら)のかたより乾(かはか)すべし雫(しつく)止(や)む時家の内え縄(なは)を張(は)り火
の気近からぬ処又/氷(こう)らぬ様に手段をもつて乾(かわか)すべし能(よく)乾き湿気
なきを見合/長押(なけし)のへ邊え掛置べし四月中/旬(ころ)迄も持(もつ)種は寒/明(あ)き
廿日程にして箱に入湿気土蔵え置へし八十八夜前後/掃(はく)種は坐
敷/天井板(うらいた)近く掛べし行燈燭臺(あんとうしよくだい)火鉢の類種の下に置べからす
余(よ)は其屋敷の寒暖(かんたん)に随ひ取扱べし併(しかし)種は/堅(かた)き方心掛へし
四 蠺種/為青(あをませ)様幷種/数(かづ)を定る事
種は其(その)処の陽気に随ひ例(れい)年心覚の通/可掃(はくへき)時節(しせつ)を考(かんがへ)取出し
長押より長押へ細(不そ)引を張(は)り壱枚ツゝ掛へし火の気日/影(かけ)近きは
悪し自(し)然の陽気に青み出る様に心掛へし若青みかたく掃とき
おくるゝ時は夜中抜て綿に包み柳こりか圓坐の類え入種重りの
掛(かか)らぬ様に気を付火の気/遠(とう)き暖なる所え揚(あけ)置べし昼は取出し
陽気越を請(うけ)る様に掛置へし種を包ますして焼火炭火近き処へ
置事甚不宜又青みたる種を涼き処え掛/掃(は)き時せつ程引延様
甚不宜蠺になりても末に病出る也入物之内にて青みたる種もよからぬ
物也何程/能(よ [ろしき])種なり共取扱にて違有也又悪き種は念を入ても不宜敷
種元を吟味大切にすること事なり扨種青み揃ひちら〳〵出て明日は
心よく出揃へきを考/包(つゝ)むへし種にあつきうすき有り紙にも
大小有て分限に相應(そうおう)ても後に過(くわ)不足有事也仍て秤にかけためす
へし右青みたる種を包む時かけ置翌日掃て跡の風袋掛て
不足の処/撫蚕(なてこ)の目方と定む予(よ) 年々心見るに七匁を壱枚と