翻刻
乾(かわき)たる糠(ぬか)を振(ふり)かけ即時(そくじ)に桑をかけべし蠺の糞(ふん)をはなれてよし
又蠺下を去るに手/廻(まは)し妙也二度桑を掛桑付の桑共に都合(つかう)
七八遍にて蠺の下を去り分(わく)る也 の下を去には風を入暖にして
下越/乾(かわか)す心得/専要(せんよう)なり若(もし)蠺/時節(しせつ)おくれ/急度(いそきたく)思はゝ暖気 ̄ニ
にして桑を掛べし扨(さて)桑/休(やすめ)の内暖気に風をすかす事大切之
心得なり他の人は桑休めは暖気にする事を知り/温(おん)を凌(しの)く事
をしらず舟/蠺(こ)庭蠺/病(やまい)出る/繭(まゆ)に死籠(しこもり)多(をゝ)く種さへす白粒落粒(しらすおち[す])
の多(おゝ)きは此日此時/臭(にほひ)の込(こみ)温(おん)のあたりの病(やまい)也/肝要(かんやうの)心得なり
七 獅子(しゝ)蠺 《割書:桑四五遍/起(おき)蠺弐分の時留桑桑付五六遍|掛/糠(ぬか)を/振(ふり)七八遍にて分る但し壱枚/掃(はき)十五/圓(わら)|坐七日七日半桑付たる日ゟ/鷹(たか)蠺の桑付迄》
獅子(しゝ)蠺飼方も毛子の取扱尓寒暖替る事なし嶽(たけ)の桑附まては
暖気にしつらい桑の遍を掛る事宜/温気(おんき)を凌(しのき)戸障子の透(すき)〳〵
低(ひく)き所ゟ風の入は悪(あ)し桑四遍定例よどみ口入時は五遍の手段も有
べし暖気/甚敷(はなはたしく)長押の上引戸を明出入る口えは琉球(りうきう)暖(あたり)の【誤字?】簾(すだれ)のるい
掛べし西ゟ風を不入(いれす)温気の洩(も)るゝ様に取扱べし毛蠺(けこ)の扱に替
事なし然共/嶽(たけ)の起(おき)は日数早きもの故蠺の下/□(かぶ)るゝも希(まれ)なるもの【□は白菐】
なり但し二年圓坐え入べし二起は暖気の方に扱ひ桑の遍を掛
る事/肝要(かんよう)なり南風ならは毛子(けこ)のことく取扱ふべし
八 鷹蠺(たかこ) 《割書:桑四五遍起蠺二 ̄トの時留桑桑付て四遍目|糠(ぬか)をふり五六遍掛蠺の下を去る壱枚掃三十わらた|八日九日但し桑付迄》
鷹蠺の扱ひ獅子に替る事なし併(しかし)陽気も發生(はつせう)し自然(しぜん)