翻刻
の暖気に趣/圓坐(わらた)数(かつ)も多(おゝ)く有もの故火を用るに勘弁(かんべん)有桑も
四遍にて宜(よろ)し扨は陽(よう)気さたまらす火気用かたくは三遍掛ても不苦(くるしからす)
随分/緩(ゆる)々と飼ふ事宜し桑休前の内寒暖定例の如く可心得也
九 舟(ふな) 蠺(こ) 《割書:桑三度起蠺三四ㇳ桑付て四五遍目掛るよとみ下は|二日目なり但よとみ子間々見ゆる時也分揃ひ六拾圓坐|又曰陽気勝る年起休早く是有候はゝ桑五六遍|にて分桑製しよとみ下立さるもよし庭の桑|附にて分る故なり八日九日十日桑附の日より庭|の桑附迄》
舟蠺(ふなこ)の取扱ひは涼(すゝ)しき方/宜(よろ)し但/雨湿(うしつ)北風抔は甚(はなはた)わろし圓坐か
つ多きものゆへ桑も三遍にてよし若(もし)よどみ口入留桑の日抔四遍
の取扱の日も有べし棚(たな)も高き所迄上る故なり火を用ゆる事
有べからず併(しかし)雨しつ抔にて甚/寒(さむ)きとき有は炭起(すみおこ)しいけて置手段も
有へし東北風抔甚悪し眠(よとみ)下を去(さら)は桑も場(は)を改むへし眠(よとみ)口入る時
露(つゆ)桑甚不宜/余(よ)者定例之通取扱へし
十 庭(には) 蠺(こ) 《割書:桑三度起蠺五六ㇳ見ゆる時留桑にして|桑付は葉桑にて桑付る壱枚掃百圓坐》
庭(には)蠺の桑付を沢(たく)山かけ即時に蠺下を去る但しよとみ蚕は別
の圓坐(わらた)に取へし冷(れい)気にて起兼(おきかね)る共久しく休(やすむ)べからず多(おゝく)の圓坐
數(かづ)故手まわし届(とゞき)かねる故/朝(あさ)桑にて桑付る是に手段有べきなり
よとみこにかゝわらぬなり蠺の下を去り三日目迄引分すして桑
沢山かけたるかよし三日め晩方(はんかた)扨は四日目分るなり家内の仕切
仕切を取長押の引戸等を不/残(のこら)取へし日の光り指込へき
軒(のき)へ日除を張(は)り家内の爐(ろ)を塞(ふさ)き臭(くさ)き香(にほ)ひの籠(こも)らぬ様に