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コレクション: 養蚕の書

養蚕家伝集 - 翻刻

養蚕家伝集 - ページ 7

ページ: 7

翻刻

炭(すみ)の火を用て蚕の下/能(よく)乾き宜き年も有其年の気/候(こう)に 随(したか)ひ無油断(ゆだんなく)取扱へし都て椽(ゑん)の透(すき)と障(せう)子のすき〳〵低(ひくき)き所より 風の入るは陰(いん)にして蚕下/不枯(かれす)戸を明ると云も家内仕切〳〵事也 雨戸の事にはあらす表より風の入るは甚宜しから須雨戸を〆 切仕切〳〵を取置くこと肝要(かんやう)也曰陽気の扱と桑の取扱肝要 なり前に書たることく家内は涼(すゝし)く南風なる時は火を不用ゆへ 蚕下/不乾(かはかず)仍而桑かけへからすとかく蚕下の乾(かはく)と不乾とにて桑の遍 可考又曰霜抔の障(さはり)有て日数引延し/飼(かう)事有始め一/起(おき)は八日か八日 半定例也十日十二日にて一起する事有陽気と桑の取扱をしらされは 変(へん)有也八日の陽気ならは一昼夜四五遍十日/余(よ)の飼ひかたならは 昼夜三遍と定むべし八日の陽気にして三遍かけては蚕揃 はす殊に病出る也十日余の取扱尓して五遍かけては蚕下不乾 湿気生る故甚不宣此取扱を不知しては変出る也又曰蚕 屋に陽所有り陰處有り蚕にも大小有り大/振(ふり)は陽に痛(いたみ) 小振は陰を嫌(きらう)ふ物故一様には覚かたし陽所の陰気勝る 取/拵(こしらい)たる蠺は獅子の起によとます蚕見ゆるもの也又種に 白/粒(す)多く出る也然共陽気の痛ゆへ残りたる蚕にさのみ障に ならぬ也種も相應に當(あた)るへきなり陰所にて陰気勝の年不功 者に飼たる蚕は舟蚕庭蚕に病出る也湿気のあたり故繭に死籠 多く上蚕(うわこ)下(した)蚕有て種も不宜明年違ひ有へき事也仍而自然 の陽気に飼立る事/肝(かん)要也世間の人は右の二品の疾分明に不知故 取扱相違する事也多くは陽気の取扱桑の指引もおろかなる もの故定例を覚ゆるも肝要也/予(われ)定る格は 一 掃(は)きたる一日は涼しく桑の遍を不掛(かけす)長押の邊え置く