東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: コレクション 1

續英雄百人一首 - 翻刻

續英雄百人一首 - ページ 7

ページ: 7

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【右頁】 祝部(はぶり)成茂(なりしげ)は日吉の社(やしろ)の称宜(ねぎ) なり承久(しやうきう)の乱の砌(みぎ)りに後鳥羽(ごとばの) 院(いん)の御 隠謀(いんほう)に組(くみ)せしよし申す ものありしにより則(すなはち)召捕(めしとら)れ鎌(かま) 倉(くら)に下して誅(ちう)せらるべきに定(さたま)り ぬ成茂(なりしげ)無実(むじつ)の讒(さん)に沈(しづみ)しを 歎(なけ)き日吉(ひよし)の社を伏拝(ふしおが)み 〽すてはてず塵(ちり)にまじはる影(かげ)そはゞ   神(かみ)もたびねの床(とこ)やつゆけき 此 歌(うた)を日吉の神前(しんぜん)にをさめ させしにふしぎや其夜(そのよ)北条義(ほうでうよし) 時(とき)の北(きた)のかたの夢(ゆめ)に老(おい)たる猿(さる)一ツ 来りて黒髪(くろかみ)をとり猿の 手にからみ鏁(くさり)を 以(もつ)て北(きた)の方(かた)の身(み) をいましめ大きに 怒(いか)り日吉の祢(ね) 宜(ぎ)成茂(なりしげ)罪(つみ)なき 者(もの)なるに囚人(めしうど) 【左頁】 たるによりて権(ごん) 現(げん)の御 咎(とがめ)なり と言(いひ)ける北のかた 夢(ゆめ)さめて驚(おどろ)き 大膳大夫(だいぜんのだいぶ)入道 覚阿(かくあ)に此事 を申 頻(しき)りに 成茂(なりしげ)が罪(つみ)を なだめ命乞(いのちこ)ひ ありてゆるされ 帰洛(きらく)に及(およ)び けり哥(うた)の徳(とく) 神慮(しんりよ)にかなひ 無実(むじつ)を消(け)して  一 命(めい)を助(たすか)りしは   いと有がたき      ことなり         けり