← 前のページ
ページ 110 / 119
次のページ →
翻刻
四郎は一揆之大将に而有迚所を少し隔てゝ
獄門にか希ゐふ四郎か姉壱人同其姉之子六
七才之子ありつる又其姉之夫之弟小左衛門
とて与き若き者一人以上三人生捕尓して有
つるか是も吉利支丹たる扁し迚切られたり
四郎か親甚兵衛と云者有しか智恵才覚人に
勝連文武之者也此一揆を起春事は第一此甚
兵衛才覚を以て致したる事と聞へたり甚兵
衛首は何と成たるやらん見にさりけり城を
已らせ死骸共をは海之方へはき落せは海与
り石垣之う已ば追死骸共に而埋上りた里け
連は海は血に成りて波は?之波うちけれは
聞も不及事哉迚人?打てそ見物春扨其後寄
手之勢共其つき〱の日之次第を定て面々の
国々へ帰陣あり
又曰一揆之頭共横幅二丁斗長さ三町斗之間に
透間もなくか希たりけ連はくさきものに蠅
之さゝか里たる如くに只真黒にそ見ゆる也
彼一揆原之死骸をは海之方へ投落春海ゟ本
城之石垣之うはゝ迄十丈も有へき程之高さ