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る敵中へ頻と投突にしけるか敵も亦其鎗を
投返し突して松村喜右衛門か肩に当りけ連
は喜右衛門か曰無用之投鎗せらるゝ故に敵
亦鑓を投返し思はさる手負たりと云に依て
勘右衛門如何にも此儀誤里也と返答春漸々
出に成し比彼敵後なる小屋を焼立ん迚鍋島
手ゟ火を懸しかとも敵其火を打消け連は寄
手本意なく思処に最前投出したる苫筵之火
も漸々消かゝ里たる時火之付たる櫃を投懸
る伊藤勘右衛門是を見て鎗之石突に貫て敵
之中へ割込彼櫃を小屋之上へ投上しかは無
程小屋に火を加希段々に焼上る池田茂右衛
門勘左衛門か小屋に火を加希たる働を感し
此手先に於ては無比類と云ひし也稲次鍋之
助は昨日有馬内記指図に依て石垣際を引取
しか日暮に及梶村助三郎と郎従一人相具し
て揚簀戸之右脇ゟ忍寄る浪人陸田式部上田
縫殿か郎従冨安市之丞も稲次に相続く廿八
日之未明に本丸へ乗込けるに郷人出て防し
かは各鑓を入て追払ふ高村八助五十田勘右