翻刻
【右丁】
御さんやすでにとゝのをりけれとも
のきをいまたふきあはせさるところに
きさきの御さんの気しきりなれは
いそきかしこにうつしまいらすすな
はちたまのことくなるおとこみことむ
まれたまへり御子をはひこなみさけ
うかやふきあはせすのみこと【注】ゝ申たて
まつる又はうのはふきあはせずの
みことゝも申なり御さんやいまたふ
きあはせさるによつてかく申なる
へしちゝのみことはひうがのくにゝおはし
ます事六十三万七千八百九十二年
にして天しやう【天上…死去。昇天】し給ふふきあはせすの
【注 『日本書紀』に「ひこなぎさたけうがやふきあえずのみこと」、『古事記』に「うがやふきあえずのみこと」とある。】
【左丁】
みことほうそ【宝祚=天子、天皇の位】をつかせ給ひしかはとよたま
ひめの御いもうとたまよりひめと申をむ
かへたてまつりてきさきとさため
たまひつきひあひし給ふほとに
この御はらにみこたちあまたうまれ
たまふたいしにあたらせ給ふをは
かんやまといはゝれひこあめすめ
ろぎのみことゝそ申ける御とし十五
にてみこのみやにゐたまふふきあはせ
ずのみことは御代をおさめ給ふ事
八十三万六千四十二年にして天じやう
し給ひしかはみこのみや御とし五十二と
申かのとのとりのとし【辛の酉の歳】ほうそをつかせ