翻刻
【右丁】
給ひけり御代をおさめ給ひつゝ五十九
ねんと申つちのとのひつしかみな月【己の未神無月】に
ひうがのくにみやさきのくはうきよより
とうせいしてとよあしはらの中つくに
にとゝまりかねひ山のちをてん
してかしははらのち【橿原の地。 「は」の重複か】をきりはらひ
みやつくりしてすまはせ給ふが十七
ねんのち三月一日つゐにほうきよ【崩御】な
り給ふ御とし一百二十七さいのちの御
いみなはじんむ天わうとそ申たて
まつるこれをほんてう【本朝=我が国】にんわう【人皇=神代に対して人代となってからの天皇】のはし
めとしてけいこうてんわうまて十二代
はやまとのくにところ〳〵にくはうきよを
【左丁】
たてよをおさめ給ひしかはくにゆた
かにたみさかへけるとかやしかるに
このきみの御宇十年と申かのえ
たつのとし【庚辰の歳】の秋八月にあふみのくに
水うみにひとつのしまあらはれいで
たりこれへんざいてんの御さいしよ
こんりんざいよりしゆつしやうしたる
しまなりいまのちくぶしまとはこれ
なりこれによつてみかとのくにに
みゆきあつてさゝなみやしがのやま
へに大みやつくりしてすみ給ふ
これをあなほのみやとそ申ける此とき
にあたりて三かん【韓】のわうくまわりと