翻刻
かくてとん兵へ万八は六蔵かたへきたり
ふうふにさけをすゝめゑいにさせ
それよりどうねんをよびきたり
きとうをたのみけるにどうねん
こゝろへふたりがよくねいりたる
ところをまづ六蔵をけわしく
おこしければのきくちより
一つのしんくわきたり
六蔵がくちへ入らんと
する所をもちつたへたる
きつねのめんをくわい
ちうよりいだし
六蔵がかほへ
かふせければ
しんくわはあちこちう
ろたへはいるべき口を
めんにてふさがれ
おみねがねいりたる
くちよりはいりける
【右ページ、おみねの下】
ほどなく
又一つのしん
くわ
そと
より
きたり
おみねが口へ
はいらんとせし
ところを又き
つねのめんをかけ
ければこれもまた
うろ〳〵して六蔵が
くちへ
はいりける
【右ページおみねの頭の左】
それより
りやう人を
ゆりおこ
せしに
ぼうぜん
としていたりしがおみねは
【左ページへ】
しとやかに
みな〳〵へあい
さつしていさいを
きゝふうふかぎりなく
よろこびまづあたりを
そうじなぞしてかけうわ
ごさを【掃除なんぞしてかけ、上ござを?】【掃除なんぞして、掛川ござを?】
さらりとしき
とうねんを
しやうじて
いろ〳〵もてなし
一礼のべて
かへしける