翻刻
いはくかたしけなくきたなけ成ところに年
月をへてものし給ふ事ありかたくかしこま
ると申おきなの命けふあすともしらぬをか
くの給ふ君達にもよく思ひさためてつかうま
つれと申もことはりなりいつれもをとりまさ
りおはしまさねは御心さしの程は見ゆへし
つかうまつらん事はそれになんつたむへき
といへはこれ能事也人のうらみもあるまし
といふ五人の人とも能事なりといへはおきな
いりていふかくやひめ石つくりの御子には仏
の御石のはちといふ物ありそれを取て給へと
いふくらもちの御子には東の海にほうらいと
云山あるなりそれにしろかねをねとしこかね
をくきとし白き玉をみとしてたてる木あり
それ一えたおりてたまはらんといふ今ひとり
にはもろこしに有火ねすみのうはきぬを給へ
大伴の大納言にはたつのくひに五色にひかる
玉ありそれを取てたまへいそのかみの中納言
にはつはくらめのもたるこやすの貝取て給へ
といふおきなかたき事にこそあなれ此国に
有ものにもあらすかくかたき事をはいかに申
さんといふかくやひめなにかたからんといへ