翻刻
にろくいまた給はらす是を給てわろきけこに
給せんと云てさゝけたる竹取のおきな此たく
みらか申事は何事そとかたふきおり御子は
われにもあらぬけしきにてきもきえゐ給へり
是をかくやひめきゝて此奉る文をとれと云て
みれは文に申けるやう御子の君千日いやしき
たくみらともろとも同所にかくれゐ給ひて
かしこき玉のえたをつくらせ給ひてつかさも
たまはらむと仰給ひき是を此頃あんするに
御つかひとおはしますへきかくやひめのえう
し給ふへきなりけりと承て此宮より給はら
むと申て給へきなりといふをきゝてかくやひめ
くるゝまゝに思ひはひつる心地わらひさかへ
ておきなをよひとりて云やう誠ほうらいの木
かとこそおもひつれかくあさましきそらこと
にて有けれははや返し給へといへはおきなこた
ふさたかにつくらせたる物と聞つれはかへさんこ
といとやすしとうなつきをりかくやひめの
心ゆきはてゝありつるうたの返し
まことかと聞て見つれはことのはを
かされる玉のえたにそありける
といひて玉のえたも返しつ竹取のおきなさは