翻刻
いかゝはそむくへきとの給ふたつのくひの玉
とりにとて出したて給ふ此人々の道のかてく
ひものに殿の内のけ【ママ】ぬわたせになとある限取
出してつかはす此人々とも帰るまていもゐを
して我はをらん此玉とりえては家に帰りくな
との給はせたりをの〳〵仰承て罷りぬ龍の首
のたま取得すは帰りくなとの給へはいつちも
〳〵あしのむきたらんかたへいなんすかゝるす
き事をし給ふ事とそしりあへり給はせたる
物をの〳〵わけつゝ取或はをのか家にこもり
居或はをのかゆかまほしき所へいぬ親君と
申共かくつきなき事をおほせ給ふ事とこ
とゆかぬ物ゆへ大納言をそしりあひたりかくや
ひめすへんにはれいやうにはみにくしとのた
まひてうるはしき家をつくり給ひてうるしを
ぬりまき絵して返し給ひて屋の上にはいと
をそめて色々ふかせてうち〳〵のしつらひに
はいふへくもあらぬあやをり物にゑをかきて
まことはりたりもとのめともはかくやひめを
かならすあはんまうけしてひとり明しくらし
給ひつかはしゝ人はよるひるまちたまふに
年こゆるまてをともせす心もとなかりていと