翻刻
家に入給ふて見給に光みちてけうらにてゐた
る人有是ならんとおほしてにけて入袖をとら
へ給へはおもてをふたきて候へとはしめよく御
らんしされはたくひなくめてたく覚えさせ
給ひてゆるさしとすとてゐておはしまさんと
するにかくやひめこたへてそうすををのか身は
此国に生て侍らはこそつかひ給はめいとゐて
おはしまし難くや侍らんとそうす御門なとか
さあらむなをゐておはしまさんとて御こしを
よせ給ふに此かくやひめきとかけに成ぬはか
なくくちおしとおほしてけにたゝ人にはあら
さりけることおほしてさらは御ともにはゐてい
かしもとの御かたちとなり給ひねそれを見て
たにかえりなんと仰らるれはかくやひめもとの
かたちに成ぬ御門猶めてたくおほしめさるゝ
事せきとめかたしかく見せつる宮つこ丸を
よろこひ給ふさて仕まつる百くはん人々ある
しいかめしうつかうまかるみかとかくやひめ
をとゝめて帰給はん事をあかす口おしくおほ
しけれと玉しゐをとゝめたる心ちしてなんかへ
らせ給ひける御こしに奉て後にかくや姫に
帰るさのみゆき物うくおもほえて