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そむきてとまるかくやひめゆへ
御返事
むくらはふ下にも年はへぬる身の
なにかは玉のうてなをも見ん
これを御門御らんしていかゝ帰り給はんそら
もなくおほさる御心は更にたち帰るへくもお
ほされさりけれとさりとて夜を明し給ふへき
にあらねはかへらせ給ひぬつねにつかうまつる
人を見給ふにかくやひめのかたはらによるへ
くたにあらさりけりこと人よりはけうらなり
とおほしける人のかれにおほし合すれは人にも
あらすかくや姫のみ御心にかゝてたゝひとり
過し給ふよしなく御かた〳〵にも渡り給はす
かくやひめの御もとにそ御文をかきてかよは
させ給ふ御かへりさすかににくからすきこえか
はした給ひて面白く木草に付けても御歌をよみ
てつかはすかやうにて御心をたかひになく
さめ給ふ程に三年はかり有て春の初よりかく
や姫月のおもしろう出たるを見てつねよりも
物思ひたる様也有人の月かほ見るはいむ事と
せいしけれ共ともすれは人まにも月を見ては
いみしけくなき給ふ七月十五日の月に出ゐて