翻刻
にて相たゝかはん心もなかりけりからうして
思ひおこして弓矢をとりたてんとすれ共手に
力もなくなりてなへかゝりたる中に心さかし
きものねんしていんとすれ共ほかさまへいき
けれはあれもたゝかはて心地たゝしれにしれて
まもりあへりたてる人共はさうそくのきよら
なる事物にも似すとふ車一くしたりらかいさ
したり其中に王とおほしき人宮つこまろ
家にまうてこといふにたけく思ひつるみやつこ
まろも物にゑひたるこゝちしてうつふしにふ
せりいはく汝おさなき人いさゝか成くとくを
おきなつくりけるによりて汝かたすけにとて
かた時の程とてくたしゝをそこらの年頃そこ
らのこかね給ひて身をかへたるかことくなり
にけりかくやひめはつみをつくり給へりけれ
はかくいやしきをのれかもとにしはしおはし
つるなりつみのかきりはてぬれはかくむかふ
るおきなはなきなけくあたはぬ事也はや返
し奉れといふおきなこたへて申かくやひめ
をやしなひたてまつる事廿余年に成ぬか
た時との給ふにあやしく成侍りぬ又こと所に
かくや姫と申人そおはしますらむと云こゝに